お知らせ
2022/10/16
ー2022年10月16日
ベルリンのアーティスト、加藤竜がHeinsberg芸術団体で「破壊の色」展を開催しています。写真:Dettmar FischerHeinsberg-Unterbruch
画家の加藤竜が、Heinsberg芸術団体で「破壊の色」展を開催しています。「私の絵の中では、人類は必ずしも勝者ではない」と、ベルリンを拠点に活動する画家、加藤竜は言う。加藤は現在、Heinsberg芸術団体で「破壊の色」展を開催しています。2メートル×3メートルの絵画「百獣の王」は、Unterbruch のHorster Hof にある芸術団体の2つの展示室の中で最も大きなものです。
「百獣の王」であるライオンは、ほぼ写実的に描かれている。しかし、その雄大な歩みは、よく見ると、突然、隷属する。カウボーイが獣の王に手綱をつけ、乗っている。絵の周囲は、まるで世界が燃え上がっていくかのような、ひどい有様だ。2006年にダニエル・リヒター教授のマスターシューラー(大学院生)としてベルリン芸術大学を卒業した加藤竜は、絵の中に描かれた動物たちに対して、ライオンに乗ったカウボーイをまったくリアルには描いていない。このカウボーイはどこか形が崩れている。もはや多くの西部劇でおなじみの気高いヒーローではなく、どこか怪物的な雰囲気を漂わせている。加藤竜が会話の中で、口、鼻、目の位置を指摘してくれるのも、このキャラクターがあまりにもかわっているからだ。そして、カウボーイブーツと一緒に騎手全体が見えてくる。
この絵には何か終末的なイメージがある。聖書好きなら、ヨハネの黙示録に登場する終末的な騎手を思い浮かべるかもしれません。コミックファンなら、じっくり見れば、この絵も必ず理解できるはずだ。加藤竜は、絵を見る人に解釈を押しつけようとはしない。どのような視点にもその意味がある。見るたびに、「百獣の王」という絵が脅威的に見えてくる。
コロナウイルスも絵の中で浮遊し、やがて騎手に届く。加藤竜は、多くのディテールを用いてその絵を演出している。カウボーイの口は開いていて、そこから煙がでている。パイプラインからでる炎は、ガスの炎のように青色く燃えている。2022年、加藤竜は『百獣の王』を描いた。そして、「世界はまだ救われるのか?」と。
加藤はアーティストであり、予言者ではないので、この質問は絵を見る人それぞれに委ねるしかない。しかし、彼はあくまでポジティブ思考である。1978年新見市生まれの加藤竜の絵の世界には、「赤い海賊」や「お出かけ中の赤ずきんちゃん」というタイトルがあるように、作家のユーモアのセンスも表れている。でも、加藤の描く赤ずきんちゃんには会いたくないと思うだろう。狼さえも逃げてしまう。
Heinsberg芸術団体の見応えのある展覧会を訪れた人は、スーパーヒーロー、ゴリラ、キリン、トラに遭遇するでしょう。加藤竜が「赤い海賊VI」(この題材は作家にとってお気に入りなようで、このシリーズはIXまである)の中で、雄牛とトレロの衝突を、雄牛がトレロを角で宙に舞わせるの様子を連続して描写しているのが印象的である。この絵では、「私の絵では、人々は必ずしも勝者ではない」という加藤の言葉が、極めて明白に表されている。
世界は私に、日常的な環境破壊や人々の自然との関わり方を題材とした絵を描かせ、そしてそれに対し戦わなければならないような気持ちを私に起こさせます。まるで、私の中で自動的なメカニズムが発動して、こうした社会的な課題について絵を描くようにさせるのです。」と加藤竜は言う。どんどん破壊されていると加藤は言う。その大きな引き金となっているのが、かつてないほどの高い知能を持つ人間だという。「新しい地球をつくるために、人類は世界を破壊しているのだろうか」と加藤は問いかける。
彼自身、これらの問いに対し作品の中で明確な答えを出しているわけではない。しかし、「人間による自己中心的な世界の破壊」に対し彼は黙っていたくはない。「私にとってアートは、社会を映し、人々にとって自分自身を映す鏡で、そして人々を反省に導くようなものだと思っています。」と加藤竜は言う。
アーティスト加藤竜の展覧会「破壊の色」は、Heinsberg 芸術団体で11月6日まで、日曜日は11時から17時、土曜日は15時から18時まで無料で鑑賞することができます。加藤竜の手描きによる非常に美しい樹木を描いたエディションが、展覧会にあわせて出版されました。
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