お知らせ
2020/09/09
ー2020年9月9日
パーク劇場では、加藤竜のアートが発見の旅へと観るものを誘う。
記者 Miram Mandt-Bökelmann
イザロン
Johannes-Josef Jostmann(劇場の主任)は「私たちの劇場が再びオープンすることを心から嬉しく思います。」と語り、ため息とともにこの数か月間のたくさんの想いをうちあけた。劇場の主任そしてそのチームは、長い間衛生コンセプトをもとに準備をし、伝統となったオープニングパーティーのためにも新しい公開時間を試させられることとなり、そしていよいよ開幕となった。
そのような処置にもかかわらず加藤竜のアートには関心が集まった。彼のアートはWerner Geckのピアノ演奏と共に、マスクと消毒液のことを忘れさせるひと時を来客者達に与えた。またギャラリストJutta Bengelsträterの感情のこもった言葉も、同じような効果をもたらした。
ギャラリストJutta Bengelsträterはある問題について語る。
彼女はパーク劇場との友好的な共同企画が今年で25年目にもなることを話し、去年12月初めに起きたKurt-Schumacher-Ring通りでの火災により、住居兼店舗の建物が消失したことも語った。彼女の息子とともに再建することを決めたが、それはとても困難な状況という事だ。工事現場は6か月間もの間、停止させられている。この建物は文化財保護法という問題が絡んでいるのだが、それについて手助けしてくれる市の行政の役員がいないと、Jutta Bengelsträterはこの問題を指摘する。現在選挙活動のため、政治家からも何の援助を得ることもできない。Iserlohnでは火事のために無一文となり、これまでギャラリーだったデュッセルドルフにある建物は住居に改装し、新たなギャラリースペースを見つけなくてはならなくなった。「その時、私と夫はIserlohnに全てを移し、ここに定着するのはどうかと考えた。」とギャラリストは思い返す。この自然豊かで静かな森に囲まれた町は、生活の拠点には最適だと。この個人的な悲しい出来事は、加藤竜の個展「チャンスという意味での災害」に丁度当てはまる。Werner Ewestはベルリンを拠点に活動する41歳の日本人アーティストの作品の中にある、現在の世界規模の流行病との関連性について語る。「私たちは長い間地球を制御したと思っていた。そして満杯となった買い物カートは店から店へと押される。しかし最も重要なこと、私たちはトイレットペーパーを買い付けることができたこと!」この数か月間の結果は、全世界は互いに一つにつながっているという事を示した。「中国で起きたことは自分には関係ないことだ、と私たちに言うことはできなくった。」とEwestは語る。
この複雑な過程を、加藤竜のアートは私たちに示す。環境破壊、経済、消費、戦争、宗教、これらの互いに何らかの関係を持つ要素が、作品の中に現れる。この元Daniel Richterの大学院生は、多くのアーティストの中に埋もれることはない。彼の作品は多彩で、まず最初に目にしたときは抽象でほとんど立体的に見え、そして徐々に具体的な形態が現れてくる。
最大の賞賛、「彼の作品はただ壁に掛けられるためだけのアートではない。彼の作品がつまらなく見えることはなく、常に何かを作品の中に発見することができる。」。
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